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あ、餡餅さまが…、うちのカーくんとマリちゃんでとっっってもかわいらしい小説を書いてくださいました!
しかもく、くださると…!むしろこちらから「書いてください読ませてください」とお願いしたくらいなのにっ。
もちろん大喜びで飾っちゃいますよ、みんな読んでーっ!!!

つづきに、餡餅さま作、いじらしさがたまらないカーくんとマリちゃん小説です☆


かけおち(カーくんとマリちゃん・カツマリ幼少期)





そういえば、こんなこともあったっけ。

何年も前のこと 恥ずかしいからあまり思い出したくないのだけれども幼い頃のマリクはとても今の姿からは想像もつかない程お人形さんのようなかわいらしい容姿をしていた

らしい。

と、いうのは周りの大人がよくそういう風に言っていたからだ。
当時は男だとか女だとかぜんぜん意識してなくて、大人たちがかわいらしいからとスカートなんかはかせたり髪をリボンで結われたりされたって嫌な気分はしなかった

むしろ、大好きなカーツがかわいいと言ってくれるから、なるべくかわいくしておこうとさえ思っていたかもしれない
まあ今更本人にはそんなこと言わないのだけれども

で、そんなお人形さん時代を思い出すと当時の環境、及びそういう格好をいとわなかった理由がとても恥ずかしくなるわけで ついでにそのことを今でも鮮明に覚えていることがなんだか変な感じがするわけである

むずかゆい あれは本当に自分だったのだろうかとさえ思う
けれど事実である その証拠にカーツはばっちり覚えている

どうも彼からしてみればあの小さな女の子みたいなかわいいのがこんなでかいおっさんになってしまったことが解せないらしく、たびたび思い出したようにそのことを穿り返してはマリクをちくちくといじめてくるのだ


自分としてはさっさと忘れてしまいたいのだが、と 昨日のことを思い出しているとついでにと言わんばかりに過去のことをずるりと思い出してしまった
いつも「そんなこと覚えてないな!」と半笑いになっているであろう表情で抗議するが多分どちらがはっきり覚えているか といわれてみると自分の方が覚えているに違いない

なんてったって絶対に自分の方がカーツのことが好きだったはずなんだから
忘れようにも 忘れられないのだ


あれは大人たちに「男同士じゃ結婚できない」と言われたときのことだったっけ


「カーくん、かけおち して」


なんにも知らない純粋にカーツが好きな子供だったオレは身長が自分よりちょっとだけ高かったあいつに向かってそう言ったんだ
キスしたけれど、結婚したことになるんだよと言われたけれども大人にお嫁さんになったんだって言ったら駄目って言われたんだっけ

まあ今思えば駄目なんだろうけれども、本気で認めてほしくて 駄目だと言われたのがショックだったからせめてちゃんと結婚したと言い切りたくてあんなことを言った
「かけおち」という言葉なんかの意味は「好きな人とすること」だと思っていて、どこかに二人で出て行ってしまうことなのも知っていた

使用方法は間違ってはないのだけれど、もっと簡単な意味で使っていたものだから本当に今は恥ずかしい

カーツも小さかったから意味もよく知らなかったのだろう
彼は「かけおちって?」と首を傾げていた
だから珍しく自分が彼の知らないことを知っているのが嬉しくて


「ちゅうみたいに好きな人とすることなんだよ。一緒にどこかへいくんだって」


と、子供なりに少しだけ自分の気持にうそぶいた。
本当は大人たちに駄目だって言われたとは言えなかった
きっとそんなの大人が決めることじゃないんだよ、といわれるのはなんとなくわかってたんだと思う

もしかしたらあきらめてしまうのも悲しかったのかもしれない


好きなのにどうして?
どうしてあきらめないといけないの?

男の子だからだよ。
男の子同士じゃ、結婚できない 駄目なんだ

…どうして?


どうして どうして?
わからない 好きになっちゃ駄目なんだろうか
男の子だから駄目なんて、そんなの絶対におかしいじゃないか
困った顔をされてしまった だからかけおち。


「マリはカーくんのこと好きだよ。大好き。カーくんはマリのこと好きじゃない?」


違うなら嫌だよね
そんなことも思ったんだったかな でもカーツは首を横に振って手を握ってくれて
その手が子供の体温に暖かかったっけ


「好き。マリちゃんはかけおちっていうのしたいのか?」

「うん。…カーくんと一緒にいたいから」

「今も、一緒」

「ううん。ずっと一緒にいたいの」


駄目っていわれたくないもん。

あいつはどう思ったんだろう もうこんな錆びた様な記憶おぼえてないだろうな
子供の遠くの範囲なんか知れているし、町の外になんか出たら雪ばっかりで危ないことくらい教えられていたから二人だけで出て行くなんてことはしなかったけど
親が血眼で自分たちを捜していたのはちょっと大きくなってから教えられた覚えがある

結局近所の人が通りがかりにどこかに連れて行ってとかめにんに頼んで困らせている自分たちを見つけて、後で結構ひどく叱られたのはあまりよく覚えていない
きっとかけおちの邪魔をされてしまってむくれてちゃんと聞きもしなかったんだと思う


覚えてないはず。
何度か昔のことを傷口に塩でも塗るかのようにじとじと言われたりしたが、これだけは一度もひっくり返してこない

そう思っていた


「マリク、『かけおち』はまだしたいか?」


でも、カーツの記憶力は無駄によかったらしい
さっきまでは何もしゃべらずもくもくと仕事をしていたというのに、突然はっとしたかのように顔を上げてこんなことを聞き出すのだから

子供の頃の方が幾分か素直だったよな

でも、キスするなんていいだしたのはこいつからだったからやっぱり根本的にはそんなに変わらないのか


「いいや。別に」

「亀車に乗って、遠くに行きたいんじゃなかったか?」

「そんなことないさ。そんなことしなくても」


ずっと 一緒にいれるだろ?


駄目だなんて誰かが決めることじゃない
良いか悪いかなんて自分で決められる
それがもうわかったから かけおちしようとはもう思わない

カーツは意地の悪い笑みを浮かべて


「マリちゃんはカーくんのことが大好きだからな」


と言った
やっぱり恥ずかしいからちょっとだけ忘れたいと思った



餡餅さま、ステキな小説をありがとうございました!
初展示<2010/08/28>

2013.02.07 
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